090709ヘルシンキ 食器とエフェクター
観光スポットにはいってしまったので、散歩がてらアラビアフィンランドの掘り出しもの探しでもしようかなという気分になった。ヘルシンキの庶民向けのセカンドハンドショップであるFidaとかをみたり、個人で雑貨の販売をしているお店などをみていった。
店構えからは一見わからないけれど、店内の奥の部屋に、アラビアフィンランドを隠してるお店を何件も発見した。ぼくはそれほどの目利きはできないし、素人同然なのだけど、あれは知っている人が見たらたまらないんじゃないだろうか?テーブルのうえに、がさっとアラビアの食器とかがおいてあるのだから。
ま、そんなこんなでヘルシンキの南に位置するpunavuori rodbergenあたりから、kruununhaka kronohagenあたりまで歩いているうちにパラパラと雨が降りだした。それがヘルシンキの人のスタンダードなのかどうかわからないけれど、すこしくらいの小雨ならたいていの人は傘をささずに歩く。日本でいう霧雨くらい、それをとおりこしてパラパラ、ぽつぽつくらいの雨でも結構平気で歩いている。これは不思議な光景だった。
しかし、今回の雨はじょじょに本格的になってきて、しまいにざあざあというレベルになった。ぼくは雨に縁がある(雨男ではないと自分ではおもいたい)のだけど、大の傘嫌いなので意地でも傘を買いたくなく、折り畳み傘ももっていなかった。このままではずぶぬれになってしまう、とおもって、建物の軒下でひとりいつやむかもしれず雨宿りをしていた。
ふと気づくと、その場所はギター屋さんの入り口だと気づいた。これはいっとかないと駄目だろうと、無計画に店にはいる。入るとそこには30代だろうか?人のよさそうなギターのリペアマンがいた。こういう人なら日本でもたくさんあっているので、少し安心し、雨にぬれて鈍くなっている頭を回転させて、えーと、雨宿りしたくて、ああそうだ、あのトレモロのエフェクターを試奏させてください、といった。その前に、雨にぬれて手がべたべただから、手をあらわせて、とか汗が乾くまでちょっとまってとか、ほとんど意味のわからないことを店員さんにいって、ちょっと困らせてしまう。
でもって、エフェクターをアンプにつないで、ギターはフェンダーでってことで、エフェクターの品定めをすることに。日本でも有名なZ.vexのseek tremとかmad professorとかを弾かせてもらう。やっぱり何回どんなエフェクトを弾いても、原音をいかしてくれるシンプルに音として気持ちよいのが好きだなーとおもう。この3機種のなかではmad professorがダントツにそのタイプだった。
これは食器にしろ家具にしろ服にしろ音にしろ、なんでも一緒なんだろうなと最近になってきづく。ごてごて飾るより、触れるだけで生理的に気持ちよいとおもえるもの。アラビアの食器もmad professorのトレモロも、深いところではつながっているんだろうな。自分の欲求が、違った形で、役割で、表現されるとそれらの製品になっているのだろうな。
なんていうのは、もちろんあとづけで、そのときはまったく何も考えてなかったけどね。
*写真、二枚目は、雨宿り後にみたはしご。こういうのみるとのぼりたくなるよね。のぼってやろうかとおもったけど、ここで骨折したらしゃれにならないからやめといた。大人になるっていうのは階段をのぼらなくなることなのかもしれない。