カフェ価格 さらさから考える

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昼ごはんの適正価格の話をしつこく続けて3回目。今回は個人的に京都のカフェのなかで随一のうまさを誇るとおもっているさらさの昼ごはん。随一といっても、ご飯屋さんを相手として考えるとまあいいかなーっていうかんじで、他のカフェとくらべるとうまいっていうことです。なんか上から目線で申し訳ないけど、店を選ぶときに下からいく必要もないとおもうので、このまま続行。

雰囲気などは移転前のほうがすきだったのですが、いまのお店も数十年たてばよいかんじに味がでてくるのかなーとおもいます。それでもって本題の昼飯に。

基本ランチセットは890円だそうです。ぼくが行った日は上のメニューでした。ドリンクがついてまして、もしコーヒーを頼むなら100円+になるということでした。

正直、昼飯一回分とかんがえると「安い!」とおどろく値段じゃないのです。こういうのを個人的にカフェ価格と命名しました。ご飯だけ考えたときに割高に思えてしまう価格。でも、さらさのこの値段はありなのです。なんでなんだろう?以前のカラアゲ定食950円が許せないのに、なぜこのランチセットに990円(コーヒー飲んだので)は許せるのだろうか?メンドクサイししつこいのはわかっておりますが、考えていきます。


食器も関係してるのかなーとかおもっていたのですが、さらさの器はメラニンでできております。小学校の給食レベルの器です。でも990円でもOKです。ということで器はそれほど重要じゃない。

・味はどうでしょうか?味はもちろん重要ですね。ぼくはなすびは自分から好んで食べないのですが、(子供のころ食べれなくて大人になって食べれるようになった食材なのです)それほど好きじゃないなすびもおいしいなーとおもって食べれました。料理自体が非常にうまいっす。

・使用目的。この日は友人と軽くしゃべるためにいったので安いと感じるのかもしれない。がっつりしゃべらせてくれる環境と配慮が行き届いているうえでの990円。これはいい。どちらかというと目的としては、しゃべる>ご飯。

さらさのメシはとってもうまいですが、それでもしゃべるという目的なく、つまり食べるという目的だけで990円はらうかといえば微妙な気がする。それなら他にもいい店がたくさんある気がするのです。昔から続いている老舗の定食屋、洋食屋、みたいなのが競争相手になってくるものね。

でも、「友達と2時間以上しゃべれて+ご飯もそれなりにおいしい」という願望を満たすうえでは、さらさはとても上位にくるのです。

ほうほう、なんだかどんどん答えに近づいている気がします。

お!お客さんの願望とお店の提供するものにわけてかんがえてみましょう。

まず、お客さんの種類を2種類にわけましょう。

A:カフェ客(話すことと、食べる飲むを同時にしたい)
B:定食屋客(ただ食べたい)

つぎに、お店の種類も2つにわけましょう。

イ:カフェ(話せる環境・食べる環境を提供する)
ロ:定食屋(食べ物だけたべたらすぐに店を出るような店)

最後に、価格を2つにわけましょう。

Ⅰ:カフェ価格(ランチで800円から950円)
Ⅱ:定食屋価格(これも店によるので微妙だけど、ここでは600円700円とする)


はい、組み合わせを考えてみます。

1:AイⅠ カフェ客がカフェに行き、カフェ価格を払う→これOK
2:AイⅡ カフェ客がカフェに行き、定食屋価格を払う→店次第
3:AロⅠ カフェ客が定食屋に行き、カフェ価格を払う→話せない高い、で客が不満
4:AロⅡ カフェ客が定食屋に行き、定食屋価格を払う→高くないが話せないので不満

5:BイⅠ 食べたいだけの人が、カフェに行き、カフェ価格を払う→割高に感じる
6:BイⅡ 食べたいだけの人が、カフェに行き、定食屋価格を払う→店次第
7:BロⅠ 食べたいだけの人が、定食屋に行き、カフェ価格を払う→おいしい場合OK
8:BロⅡ 食べたいだけの人が、定食屋に行き、定食屋価格を払う→OK

となりますかね。

■OKパターン
1:AイⅠ カフェ客がカフェに行き、カフェ価格を払う→これOK
8:BロⅡ 食べたいだけの人が、定食屋に行き、定食屋価格を払う→OK

見事にお客のニーズと店の提供するものが一致したケース。


■店次第パターン
2:AイⅡ カフェ客がカフェに行き、定食屋価格を払う→店次第
6:BイⅡ 食べたいだけの人が、カフェに行き、定食屋価格を払う→店次第

カフェ価格が通常より高く設定されているのは、話すと回転率が悪くなるからなのでしょう。薄利多売にしても薄利少売になっちゃうとまずいけど、薄利でもやっていける、もしくは、多売できるならOK?


■めっちゃおいしいなら高くてもいいパターン
7:BロⅠ 食べたいだけの人が、定食屋に行き、カフェ価格を払う→おいしい場合OK
というのは、定食屋だとおもってはいってちょっと高めに払っても、
めっちゃおいしい場合は全然OKというパターン

■ダメパターン
5:BイⅠ 食べたいだけの人が、カフェに行き、カフェ価格を払う→割高に感じる
3:AロⅠ カフェ客が定食屋に行き、カフェ価格を払う→話せない高い、で客が不満
4:AロⅡ カフェ客が定食屋に行き、定食屋価格を払う→高くないが話せないので不満

まえのカラアゲ定食の件は、5のパターンになっていたのでしょう。食べたいだけなのに、高めにとられる、なんでやねんと。

と、ここまで考えるとなんとなく、もやもや感がなくなってきました。うん、わかったわかった。今回はカフェと定食屋というちいさーいことで考えましたが、これ値段帯が5千円になっても、1万円になっても、100万円になっても、同じようなことがいえる分野があるとおもうので、そういうの出てきたときに役立ってくれるでしょう。