Before & After

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またまたベタだけど考えごとをするときに役にたつ定型文を紹介します。「Before & After」。
とあるリフォーム番組のタイトルから拝借してきましたが、
ようするに「○○する前と○○した後」ということですね。

たいていの考えごとは現状をよい状態にしたくてするのだとおもいます。
よい状態にするために必要なのは、

現状を把握すること
理想を描くこと
その差をうめること

だとおもいます。


現状を把握すること

以前、リフォームを題材にして人気をはくしたBefore & Afterという番組がありました。自分が住んでいる家について不満があるお客が、専門家にリフォームを依頼し、その過程を視聴者に伝えるという内容でした。

もし、自分がリフォームの専門家だとします。そうすると一番はじめにする仕事は、お客さんに「いまの生活のどこが気に入らないんですか?」と質問するのではないでしょうか?

質問してみると、お客さんは「台所の広さは気に入っているんだけど、日当たりが悪くて」とか「脱衣所に湿気がこもりやすい」とか「本がたくさんあるけど、収納が少なくて」などと、困っている、気に入らないところ、不満を口にするとおもいます。そして、お客さんから聞いた不満におもうことを忘れないように、不満リストを作るとおもいます。


□台所の広さは気に入っているんだけど、日当たりが悪い
□脱衣所に湿気がこもりやすい
□本がたくさんあるけど、収納が少ない


こんな不満リストができます。


理想を描くこと

リフォームを頼んだお客さんは、

□台所の広さは気に入っているんだけど、日当たりが悪い
□脱衣所に湿気がこもりやすい
□本がたくさんあるけど、収納が少ない

という不満をリフォーム専門家に話しました。
ということは、表現を変えると、

□日当たりのよい台所が欲しい
□風通しのよい、カラッとした脱衣所が欲しい
□本をたくさん収納できるスペースが欲しい

という願望を持っていることになります。
普段なかなか自分がなにを求めているかを言語化できる人は少ないので
不満を聞いてその裏側をさぐります。


その差をうめること


お客さんの希望が把握できたら、今度は、どうやって現状と希望の差をうめようか?
と考える段階にはいります。

□日当たりのよい台所が欲しい
□風通しのよい、カラッとした脱衣所が欲しい
□本をたくさん収納できるスペースが欲しい

案1:それじゃあ、台所の壁をぶち抜いて、日差しが差し込む小窓をつくりましょう。
案2:脱衣所の天井にある換気扇を交換して、風通しをよくしましょう。
案3:本を収納する本棚をリビングの壁一面につくりましょう。

などなど。改善案が考えられます。


まとめ

Before & Afterの方法論:

1:Before(よくなる前)として、いま感じている不満点をあげます。
2:不満の裏側にあるAfter(よくなった後・自分の願望)に気づきます。
3:その願望をどのようにしてかなえるか考えます。


自分がなにを求めているか知ることは、むずかしい場合があります。でも方法論のひとつとしておぼえておくといいのは、「いま感じている不満の裏側には、自分の願望が隠れている」ということです。
願望に気づくことができたら、あとは、現状の不満をオセロのように裏返せばいいだけなのです。

あとがき

不満や愚痴をいうのは楽しいものです。自分が嫌だとおもっていることを話すととてもすっきりします。でも、不満を不満のままで、愚痴を愚痴のままでとどめておくと、現状はなんにも変わってないので、また不満・愚痴が発生する状況とつきあうことになります。

ということで

不満を言ったら、愚痴をいったら、その裏側にある、自分の願望に気づいてあげて、
不満のおきる構造を、愚痴のおきるシステムを変えることをおすすめします。

そうすると、愚痴で盛り上がるわ、現状もよくなるわと、一粒で二度おいしい感じになるとおもいます。愚痴を愚痴のままにしない、それができてこそ「たのしい大人」ではないでしょうか。
おもうぞんぶんリフォームをたのしんでください。