PDCI サークル

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考えごとがすきです。興味があったので、「考えごとのしかた」について本を読んだり、自分で方法をあみだしたりしてきました。今回はとても有名というかベタすぎることですが、PDCIサイクルについてお話します。これはなにかをうまくやるときに必要な4要素をあらわした図です。その4つとは、PLAN(計画)、DO(実行)、Check(計測)、Improve(改善)です。ひとつずつ解説していきますね。


PLAN(計画):なにをするのか?どうやってするのか?どうなりたいか?さまざまなことを計画することです。こうやったらうまくいくだろうという仮説をたてることだといえます。この段階で必要なのは、作業をするまえになにをしたらうまくいくかというポイントを見極めることだとおもいます。

具体例をだしてみると、家を建てる前に設計図を描く、レコーディング前に譜面を書く、旅行の前に日程表をつくる、などがこのPLANにあてはまる作業です。


Do(実行):PLANはとても大切ですが、PLANを考えた時点ではうまくいく方法は頭の中にあるだけです。頭で考えていたとおりになることもあるだろうし、ならないこともあります。やってみてはじめてわかることがあります。頭の中にあったPLANを実際に作る作業をしてみることが大切なのです。

家を建てる話なら、設計図どおりになるように、木材を切ったり、材料を運んだり、釘をうって組み立てたりするのです。


Check(計測):PLAN(考えた)ことをDO(実行)してみると、望んでいた結果もしくは望んでいない結果がでます。どちらになるかはわからないけれどなんらかの結果がでます。その結果をいったん立ち止まって冷静に判断するのが計測するということです。

ふたたび家を建てる例にあてはめてみましょう。設計図にそって、家を建てる作業をした。一階部分は計画通りに作業が進んだ。しかし、二階部分は設計に無理があり、実際作業してみるとうまくいかないことがわかった。

など、PLAN→DO→CHECK→望んでいた結果がでた
        ↓
        望んでいなかった結果がでた

と分けるのです。結果を計測する際には、一般的には客観性が好まれるため、数値であらわされることがおおいです。会社の売り上げ目標や収入支出、陸上選手の競技のタイム、バッターの打率、打点、ホームラン数、CDの売り上げ枚数、などが数値化することでCHECKする一例です。

また、数値化しない場合もあります。明日のデートのためによいコーディネートで服を着たい。
あの濃紺のスカートとベージュのジャケットあうだろうか?というPLANを、実際に着てみて(DO)、鏡の前にたつ(Check)、そのようにCHECKする場合もあります。


Improve(改善):四つ目の要素は改善です。PDCIサークルは、PDCサークルもしくは(PDSサークル、SはSee)と3つの要素であらわされることや、 PDCA(AはACTIONのA)といわれることがあります。呼び名はそれぞれ微妙に違ってきますが、計画し、実行し、計測するという流れは変わりません。そしてACTIONであれIMPROVEであれ、計測したこと、実行した後の結果をみて、さて?うまくいったことはどこかな?うまくいかなかったところはどこかな?と考え、もう一度、計画からはじめることが重要です。

以上が、なにかをうまくやるときに必要な4要素の一般的な説明です。
それではさらに各要素に取り組むときの注意点をみていきましょう。


PLAN:計画してる段階で最初から完璧な計画・設計図がつくれたらいいのですが、そううまくはいきません。情報が不足していたり、本質がみえていなかったり、情勢が変わってしまったりするので、最初に考えたことはたいてい不十分な計画なのです。「たたき台」という言葉があります。一度考えて終わりなのではなくて、とりあえずたてた計画を洗練させようとおもったほうがいいでしょう。

DO:さきほどのべたように、計画はそれだけで成立することができません。完璧に成果がでる設計図を作るには机の上で考えているだけでは情報が足りないのです。実際に計画を実行してみて、考えつかなかった本質や問題点を発見することが大切なのです。

CHECK:せっかく行動して気づいたこと・得た情報をそのままにするのではなくもう一度、計画をねりなおす材料としてつかいたいところです。その際、数値ではかってみると計画を練り直すための判断材料にしやすいです。プールにいくという計画を立てたのだとしたら、週に2回いったのか?3回いったのか?具体的な期間や回数を数えることで計画を改善しやすくなります。よく「計画するときには数値をいれよう」などと書いてある本がありますが、その本質は「計測しやすいように、計画する段階から数値をいれておこう」ということだとおもいます。

IMPROVE:最初に考えていた計画を実行してみると、数々の問題点がでてくるでしょう。それは当たり前のことなので気を落としたりする必要はないのです。よりよい計画・設計図をつくるために必要な情報が得られたのだとおもえばいいのです。うまくいったことは残し、うまくいかなかったことは捨てる。そうするとうまくいくことだけが残るという仕組みになります。うまくいかなかったことに対して、さてどうすればいいのだろう?と再び計画に入ります。または、うまくいったことに対しても、さていつまでこの結果を維持できるだろうか、と計画することもあります。

つまり、なにがいいたいかというと、P・D・C・Iサークルは終わることなく、ずっとまわり続けるということなのです。まわすのをやめたら現状維持という衰退がはじまることになります。あなたの現状は維持されるかもしれないけれど、まわりは進化するので相対的にみてあなたは劣っていくことになるのです。

とても基本的な方法論なのですが、この基本をはずして考えることはできないとおもいます。「そんなの知っているよ」とよく思ってしまうのですが、では、自分の暮らしの全てにおいてこのサイクルに乗れているか?と問うてみると、誰も完璧にできている人なんていないとおもいます。

仕事でのプロジェクト、家族間の人間関係、パートナーとのコミュニケーション、趣味の上達、健康、自分がかかわるすべてに、PDCIサークルは適応されます。

もし、自分の現状に気に入らないことがあるなら、P・D・C・Iのどの段階に問題があるのか考えてみるといいとおもいます。つまり、やろうとおもっていることが計画・実行・計測・改善、どの段階でとまってしまっているのか考えてみるのです。


よくあるうまくいかない原因としてはこのようなものがあります。

P:計画がなくやみくもに実行してしまう場合
P:計画する段階で効果がでないような計画をたててしまう、ポイントをはずしている場合

D:計画したけれど、かんがえているだけで実行してない場合

C:実行しただけ、やりっぱなしで、結果を見ていない場合
C:自分の考え方と行動のうち、なにが正解で、なにが不正解かわからない

I:うまくいったことにあぐらをかいて、改善をおこたる場合(成功後の衰退)
I:うまくいかなかったときに得た情報を、あたらしい計画に反映しない

:それら全部をあきらめる
:問題をみようとしない


もしこのPDCIサークルをまわすコツを体得できたら、自分が関心のあることは全て時間はかかるかもしれませんが、良い方向にもって行くことができます。なので日々の暮らしがほとんどを楽しむ対象にできるとおもうのです。

問題があることを楽しめるようになるといいですね。
なんにも問題のない世界なんてつまらない、そうおもいます。