歩くというメディア

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ランチを食べたあとKATIのある夷川周辺を歩いた。このあたりは昔から家具屋街として有名だと聞いていた。数年前に訪れたときには、それほど趣味にあう家具を見つけられなかったので、このあたりのことは気にとめていなかった。店のほとんどが日本の庶民的な製品を扱っていたようにおもう。和なのか洋なのかよくわからないタンスとかの安っぽい机。しかし、こうして歩いてみるとシェーカー教徒の椅子や北欧物の家具を扱うお店、セカンドハンド中心だけどデザインがおもしろいものを扱っているお店などを発見できた。数年間のあいだに店側の扱うものがかわったのかもしれないし、店側はなにも変わってないけれど僕自身の家具の知識が増えたのかもしれない。

家具屋以外にも面白そうな店が何軒かあった。いまや京都の勢いのあるカフェの筆頭であるサラサ系列の"mange"もあったし、その近くには隠れ名店の雰囲気をもつケーキ屋さんがあった。気づかなかったけれど、このあたりは"次に来る地区"なのかもしれないなと少しおもった。今はまだ店の種類と頭数がそろっていないようにおもうけれど、あと数年すると少し前の堀江のようなかんじになるかもしれない。


その日は友人に写真の撮り方を教わることになっていた。約束の時間まで間があるので、待ち合わせをしている場所に向けてふらふらと歩いていくことにした。途中、有名なイタリアンomaggioさんや、個人のデザインもしくは建築事務所風の家屋を見つけた。雑誌やネットなどではみたことのないギター屋さんもあったし、やけに立派な建物のレストランもあった。こういうのは足で探さないと見つけられないよなとおもった。歩いていて偶然に自分の好みにあいそうな店を発見する感覚は、普段ネットで調べ物することが多くなった僕には逆に新鮮だった。歩くというのは無駄なことも多いけれど、そのぶん意外なものを発見できるんだなあと考えながら歩いた。