東京に行くんだけど

2006年11月01日02:06


11月09日、また彼にあえる。
彼ってだれ?って、ジョアン ジルベルトです。
カルロス・ジョビンとともにボサノバというフォームを作った人。

はじめて彼の公演をみたのは、もう3.4年前になるんだろうか?
東京国際フォーラムで行われたその公演は、ほんとうに特別だった。

まず、登場のしかたが特別だった。

2000人の聴衆を1時間半も待たせたジョアン。
でも、ぼくは彼が来てくれるならなんでもいいです、
お願いだからヘソ曲げたりしないでちゃんときてくださいねと思っていた。

「アーティストは会場に向かっております」
「アーティストが会場に到着しました」

なんていう、「実況中継」があるのも面白かった。


彼の音楽はとても特別だった。

2000人にむかってギターと声だけでつむがれる音楽は
やさしく僕らをつつんでいた。

まるで、ホテルの一室に友人として招かれたかのようだった。
ソファーに座るぼく、そばで歌ってくれているジョアン。

そんな感覚を二階席にいるぼくに、もしかすると会場全体に、
届けてくれた。


2000人の聴衆が真剣にジョアンの音楽に耳を傾けていた。
ほんとうに、咳ひとつできないような緊張感。
「携帯でも間違って鳴らそうものならぶっ殺すぞ!」というような空気。

その静けさの中を伝わってくる彼の音楽。
演奏後まきおこる敬意を表すための拍手。

大音量や重低音はなかったけど、ものすごく興奮した。
と同時に気持ちよすぎて眠くなった。

あんな経験、いままで味わったことなかった。
もう一度、あの淡い光とやさしい音楽につつまれたくて
東京に行くことにした。