ご要望にお答えして

2006年03月11日07:13

さっきから、電車は、僕のカラダを乗せて走り続けている

忘れ物をしてしまった僕にかまうことなく、走り続けている


「もう少しここにいたいのに」と思いながら
僕は離れていく自分に追いつこうとする



窓の外にはもう暗闇が広がっている


「もう少し早い時間なら夕焼けが見えたのに」と思いながら
過ぎていく景色をぼんやりとながめる


あのとき、僕はどうすればよかったのだろう?

もう一度話せるとしたら、なにを言えばいいのだろう?



電車は、僕が望んだ場所に僕を運んでいく


「すべては、自分が決めたことなんだ」と思いながら
僕は電車を降りる



忘れてしまえるならどれだけ楽になれるだろう?


しばらく思い出さなくてすむように、違うこと考えよう