相談2
- 2007年01月30日11:01
そういうと僕は黙ってしまった。なんだか自分の考えていることと違うことを口走っている感じがした。考えていることをまとめようとするんだけどうまくいかない。彼女の方は僕が口を開くまでいくらでも待ちます、というふうだった。
会話がとぎれるのを見計らっていたのかどうかはわからないけれど、お店の人が今日のランチとドリンクが書いてあるメニューを持ってきた。ボロー ニャ風パスタとサーモンとクリームソースのパスタ、あとは各種ドリンク。しばらく考えてから、ぼくはボローニャ風パスタとカフェオレを頼み、彼女はクリー ムソースとコーヒーを注文した。
僕:考えをまとめようとしてるんだけど、うまくいかないみたいで。
彼女:あら、べつに本について考えていること以外でもいいのよ。思いついたことをなんでもいいから話していったらいいじゃない?難しく考えることはないわ、これ自体がひとつの遊びのようなものなんだし。それにまとめるのは私の仕事よ。そういって彼女はほほえんだ。
僕:じゃあ、全然関係ないんだけど、考えごとの話をしていいですか?
彼女:どうぞ
僕:なんだろうな、僕は考えごとをよくするんだけど、なんていったらいいんだろう、うまくいく考えごとと、うまくいかない考えごとがある気がするんです。
彼女:考えごとが機能するってこと?
僕:そうともいえます。だいたい四六時中ろくでもないこを考えているんだけど、なんでそんなに考えごとしているんだろうと、自分でも不思議におもうんです。
なんのために考えているかなんて全然わからないけど、とにかくいろんなことを考えてます。最近プールによくいくんだけど、プールの中にいるときですら考えごとをしてます。どうでもいいことからどうでもよくないことまで、ありとあらゆることを。
彼女:それで機能する考えごとっていうのは、どういうこと?
僕:考えることって、自分がなにかを決めるためにしているんだとおもうんです。決断っていったら強すぎるかもしれないけど、とにかくなにかを決め るためにしている。それは、今日の晩御飯のおかずかもしれないし、誰かにたいする対応かもしれないし、自分のやっていきたいことかもしれないし、なにかに たいする解釈かもしれないし。それらに対し決定や決断をするために考えているんじゃないかとおもうんです。
彼女:もう少し詳しく説明してみてくれる?
僕:うまくできる自信がないけど、やってみます。考えることはなにかを決めるためにやっているんだ、と仮定してみるじゃないですか。それは、さっ きも言ったとおり、いろんなレベルの決定です。食物をとるときの意思決定だったり、対人関係だったり、個人的な行動をどうするか、社会の中でどうするかと いうこと。
なんていえば、うまく伝わるんだろう、つまり当たり前のことだけど、自分がどうしたいかを決めるために、考えごとをしているとおもうんです。
ということは、もしなにかを決めるために考えているのなら、全ての考えごとは、自分なりの答えを必要とすることになります。考えごとが考えごとと して成立するためには、なにかしらの仮説や結論や決定が必要だと。逆にいってみると、決めることができない考えごとは、まだ考えることの途中でしかないと おもうんです。
そうすると、私を幸せにする決定はなんだ?と自問することが大切なんじゃないか?とおもうんです。
彼女:ごめん、話が飛びすぎてるから、どうして、その質問が大切なのかもう少しわかりやすいように説明してみてくれる?
僕:それはですね...
(つづく)