風をあつめて•トンネルぬけての動画
いわゆる細野晴臣氏まわりの音楽をほとんどきいたことがありません。お店で流れているのをきいたり、テレビから流れてくるのをきいたくらいです。はっぴいえんどもYMOもドラマやCMで使われているのをきいたくらいです。
ライブするので、一曲だけ聞き込んでコピーしてみたのですが、1971年の曲だとはおもえないアレンジでびっくり。ベースラインとギターのくみあわせや、「あの空を」の「を」の位置が毎度ちがうことや、間奏のリズム遊びや、サビがおわったところのC6#11、半音でぶつけまくるB7sus4(13)というのかAM7(13)/Bというのかコードネームがつけづらい和音がすてき。
長く残るものはしっかり作られているなというのを再確認です。音楽の秘密はすぐに発掘発見されないかもしれないけれど、40年後、顕微鏡で調査した人に、「この音楽作った人すごいな」とおもわせる創作態度にただただ脱帽です。
曲をアレンジしようとおもうと、個人的には複雑なハーモニーで緻密なリズムで、というふうな方向にいってしまいがちです。でもこの単純さがすてきだなとおもいました。ただたんにDでA7でとやっているだけなのに、歌詞も小学低学年で習うような漢字しかでてこないのに、響くものがあります。単純で断言された言葉はおさないけれど強く、複雑で婉曲的な表現は知的でささやかに伝わってきます。どちらがよいというわけではなくて、どちらの表現方法も適切に使えればとおもうしだいです。