15年来の友人がドイツから一時帰国。今度はいつ会えるかわからないので昼食にいくことにした。目当ての店の最寄り駅で待ち合わせた。久しぶりとあいさつするなり、彼女は早口でしゃべりだす。僕が一日でしゃべる量を10分くらいで話してしまうくらいの速度と濃度で彼女はしゃべりつづける。起きたばかりで頭がボーとしていたので、一瞬とまどってしまい、「ちょっと待って、話聞くのにスイッチ入れるから」と心の準備をする。そうだ、彼女は僕の友人の中でも上位3位に入るおしゃべりな人なのだ。

彼女くらいしゃべる親しい友人があと何名かいるため、その面子であつまると、ほとんどこちらは口を挟む暇がない。なので28歳くらいになるまで、自分のことを無口な人間だとおもっていた、ほんとうに。今日は一対一なので、まだこちらの話も聞いてもらえるかもしれない、と淡い期待をいだく。


メニューに目を通し、何を注文するか迷う。あんまりお腹がすいてなかったので、軽く食べることにする。そして、お互いの近況などを話しあう。じつは彼女、妊娠している身なので、それにまつわる話をたくさん聞く。18歳くらいから今にいたるまで、こうやって女性の本音を教えてもらえるというのは、恵まれているような気もする。男と女は違う生き物とよくいわれるが、あちら側のリアルな情報を事前に得て、それに向けて対策できる？のはたぶんよいことなんでしょう。ありがとう、wikiリークスくらい有益な情報源ですよ、あなた。

こちらは、いま進めている仕事のことや、こういう状況を作ろうとおもって作業しているということを話す。自分の興味があること、やり続けられること、能力、それを求めてくれる人たち、そしてその人たちにむけて自分ができること、2011年にはまとまった形になるというような、あちらからしたら面白いのか面白くないのかよくわからないことを。

お腹にいる子供は双子かもしれないとのこと。「せっかちな性格だと、あれもこれもやらなくちゃ、この目的のために、あれやってこれやって、これを達成して、という風になりがち。でも妊娠してから自分のペースがゆっくりになって、道中の景色が見えるようになってきた。」という話が印象的だった。

詳しいことはよくわからないけれど、身体を大切にして、一日一日味わってくださいな。こちらはこちらで、自分の分身ともいうべきものを作っていきたいとおもいます。