赤めだか

1年のうちにどれくらい本を読んでいるのだろう?と疑問におもって数えてみたことがあった。たしか153冊。数えていたものだからいつもより多い目に意地になって読んだ。その数が多いか少ないかは問題ではなく、それを自慢したいわけでもない。それどころかそういう、読んだ本の数を発表すること自体がちょっと恥ずかしいことだとさえおもう。しかし、その数字を挙げたのは次のことがいいたいから。

おもしろい本というのは、153冊のうち2冊くらいのものだった。たくさん本を読んだその年には、読んだ本を全部記録していて、それを年のおわりに見返した。そして一冊一冊内容をおもいだしてみた。しかし、これは手元にずっと置いておきたいとおもう本はたったの2冊で、たいていの本は鍋敷きにしてしまってもいいんじゃないか、という具合だった。

そんなことを書きたくなったのは、今日かりてきた本がとてもおもしろかったからだ。本の名前は「赤めだか」。立川談志(敬称略)という落語家の弟子である、立川談春が著して話題になっていた。本の感想をかくのは苦手なので詳しくはかかないけれど、読みながら声をだして笑ってしまったし、ところどころで泣きそうになった。

さて、おもしろい本というのはなぜおもしろいのだろう?物語がよくできている?テンポがよい?登場人物に感情移入できる?ためになる?知らない世界が知れる?

結局、なにをおもしろいとおもうかをみつめてみると、自分の興味がわかるのかもしれない。